千葉県君津市鹿野山の白鳥神社に毎年4月28日に奉納される「はしご獅子舞」由来は永正年間(1504~1521年)、紀州高野山から弘範上人という高僧が布教のため、鹿野山を訪れた。その時、随行したキコリたちが、故郷の高野山を偲んで舞ったのが始まりと言われている。

二人が演じる獅子が、高さ10メートル25段のはしごの上で曲芸的な舞を披露する。鹿野山の牝獅子が奥高野に住む牡獅子に恋焦がれ、断崖に見立てたはしごの上で舞狂う様子を表しているという。

最初に、地舞とよばれる地上での「四方固め」で舞場を清める。獅子は疲れて寝てしまうが起しの笛で身震いし、乱拍子の囃しに促されるように、断崖に見立てたはしごに登って行く。はしごの最上段では四方を眺めながら「てんぐるま」を演じる。はしごを降りながら「しゃちほこ」「はらわたり」「でんぐり」等を披露する。

はしごを使った獅子舞は匝瑳市の「仁組の獅子舞」東金市の「北之幸谷の獅子舞」長生村の「岩沼の獅子舞」横芝光町の「中台の梯子獅子舞」等が伝承されている。全国的には岩手県・兵庫県・和歌山県など太平洋側に類例がみられる。

 

※参考資料・現地配布資料/房総の祭りと技/千葉県教育員会webサイト