千葉県印西市(旧本埜村)中根に伝わる「八幡神社の獅子舞」後醍醐天皇の南北朝時代落ち武者が中根辺田前に住み獅子の作法を伝授したと伝えられている。

悪魔退散、家内安全、五穀豊穣を祈願し八幡神社の春の例祭に奉納されている。

20数年前に後継者がなく途絶えたが、昭和59年に地元の人たちの努力で復活した。

嬶獅子は短い角が一本ありお歯黒、倅獅子は長いまっすぐな角を有し鼻には横方向に皺がある。親獅子はまっすぐな角がねじれて鼻には縦方向に皺がある。獅子の頭には、鳥の羽ではなく、麻が植えられている。毎年五尺の長さの麻が補充される。

北総地方に多く残る一人立ちの三匹獅子舞だが、女獅子争いのストーリーはない。昔から伝わる本舞と、近年舞われるようになった役舞がある。本舞は「禊附清浄の舞」「雨の法守護の舞」「不通法安隠の舞」「足留め契の舞」「和合惚気の舞」「笑楽岡崎の舞」「橋掛り寿の舞」役舞は「嬶獅子の舞」「倅獅子の舞」「親獅子の舞」が伝承されている。

舞人育成のため、4年で一通りの舞を習得し、新人に交代する。今年は新人が奉納する年にあたり、本舞は行われず、役舞のみが奉納された。今年は40代目の舞人が務めた。

※参考資料:印西市の文化財:千葉県の歴史(民俗各論):八幡神社の獅子舞