千葉県富津市富津の八坂神社で行われる「富津フンチ」。日本三大くも合戦と呼ばれる伝統行事。ネコハエトリ蜘蛛の雄を雌蜘蛛を取り合う習性を利用し戦わせる。お互いに「サ」と呼ばれる第一脚を振り上げ威嚇する姿に見る人も熱狂する。逃げ出したら負けとなる。

元々は子どもの遊びだったが、西方から黒潮にのって伝わった漁民の豊漁・不漁を占う神事であったと言われている。「フンチ」という呼称は当地の方言で、東京湾を挟んで対岸の横浜では「ホンチ」と呼ばれ、同様のくも合戦が今も行われている。

大人も子どもも熱狂する「富津フンチ」。毎年5月4日に行われ、トーナメント方式で大人の部と子どもの部各々横綱を決める。参加者は市内はもとより県内外から愛好家があつまる。蜘蛛は各愛好家が自分の秘密の場所から採取し、生きたハエを餌として与え大事に育てこの日に臨む。主催者は、江戸時代から続くこの行事を後世に伝えていきたいと話していた。