茂原市昌平町稲荷神社の「みろく踊り」。毎年1月8日の例祭、歩射で演じられます。午前中に行われる「お水かけ」と共に、茂原市の無形民俗文化財に指定されている。

「みのこ踊り」は、ミロクの到来を願う歌を伴う踊りの一般的な名称と云われている。茨城県鹿島地方に伝わる念仏踊り風の踊りの歌で、行事や祭礼の中で、弥勒歌に合わせて女性が躍る鹿島みろくが伝わっている。千葉県の下総地方にも類例を見ることができる。同じく千葉県の安房地方にも「ミノコオドリ」と呼ばれる子どもの踊りが踊られている。

茂原の「みのこ踊り」は氏子の男性が歌い手と神官が口上を述べ、その後、一列になって両手を挙げ、一歩一歩左右に跳ねるように前方に進んでいく。この芸態から鹿島踊り・弥勒踊りとは踊りの名前以外に共通点は見られない。

稲荷神社には明治時代後半に書かれたこの踊りの歌の歌詞が残されているという。その中で、相模湾西岸の鹿島踊で歌われる「鎌倉の御所の御庭で」始まる一句が含まれていることから、相模湾西岸から伝わったと推測する研究者もいる。